CLV(顧客生涯価値)の計算方法
新規顧客の「売上」、つまり契約金額は、その顧客の価値を判断するための指標として注目されることが多いです。
この数値は、ARR(annual recurring revenue)を決定する際にも使用されていて、この最初の契約から毎年どれだけの収益が入ってくるかを示しています。
一方で、カスタマーサクセスチームは、最初の契約に記載された内容以上の顧客の価値を算出するためにCLV(顧客生涯価値)という指標を用いています。
CLV(顧客生涯価値)とは
CLV(顧客生涯価値)は、契約に基づいて客の価値を見るのではなく、その顧客が長期にわたって企業にとってどのような価値を持つかを、定量的・定性的な観点から見るものです。
その顧客と組織との関係全体を通じて、どの程度の収益をもたらすと予測できるかを測定します。最初の契約はもちろん、アップセル、エクスパンション、更新などを鑑みる必要があります。
また、顧客アカウントが従来の収益以外にもたらす価値もあります。
アップデートの要求、ケーススタディの可能性や顧客を含めたセミナーなど、あらゆる可能性を考える必要があります。
CSMの誰もが知っているように、顧客には収益以上の価値があり、最も価値のある顧客は、これらすべての戦略的イニシアチブの可能性を提供しています。
CLV(顧客生涯価値)の計算方法
CLVのような指標には、多くの異なるデータポイントがあり、必ずすべて手元にあるとは限らないため、計算することが容易でありません。
しかし、適切な計算式(とそれを裏付けるデータ)があれば、顧客や会社の集計レベルで簡単にCLVを計算することができます。
まずは、以下のような計算式から始めてみましょう。
(年間顧客総収入 + 非収益活動の総価値) x 顧客関係の目標寿命) – アカウントの獲得・管理にかかる運用コスト = CLV
年間顧客総収入:まずは、契約額とARRを算出します。次に、アップセルの可能性について考えます。特に数ライセンスしか購入していない顧客でも、多くのユーザーを抱えている場は注意しましょう。そして、更新やエクスパンションなど、次に来る可能性のあるさまざまな機会を考慮します。
非収益活動の総価値:ウェビナーやコンテンツマーケティングなど、マーケティング施策での価値を算出します。
例えばウェビナーでのCVRから利益を概算するなどが当てはまります。
顧客関係の目標寿命:概略の契約期間から概算したり、更新が迫っている分に関しては、顧客にサービスを提供する予定の合計年数を予測します。
アカウントの獲得・管理にかかる運用コスト:営業プロセスにはどれだけのコストがかかっているかを概算します。これは、顧客全体の収益からオンボーディング、トレーニング、カスタマーサクセスのリソースなどを差し引いて計算します。
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