多くのカスタマーサクセスリーダーは、直感を頼りにチーム全体の戦略的な意思決定を行っているわけではありません。その代わりに、チームの意思決定の指針として、確かな数字、洞察、データを活用します。また、これらの数字は、他の部署や経営陣、さらには役員とも共有され、ビジネスの状況を把握することができます。たとえ売上が大きく伸びたとしても、顧客に満足していただけなければ、ビジネスは長続きしないのです。
しかし、どの指標を追跡するかということになると、すべてのカスタマーサクセスリーダーが同じ考えを持っているわけではありません。NPSやセンチメントのような広範な指標や、解約率や定着率のようなハイレベルな数値があります。他にも、オンボーディングの日数やCSMのセンチメントなど、より具体的なデータも忘れてはいけません。
今回は、定期的に測定すべき重要なカスタマーサクセスの指標をいくつか紹介します。
NRR:純収益維持率
NRR(Net Revenue Retention:純収益維持率 )は、解約率からエクスパンション率を差し引いた値を測定しているため、カスタマーサクセス機能の成果を高い水準で把握するための優れた指標です。
ARPU:ユーザー1人当たりの平均売上高
ARPU(the average revenue per user:ユーザー1人当たりの平均売上高)は、貴社の顧客がもたらす総収入を、貴社の顧客全体の平均値で見るものです。貴社サービスがB2Bであれば、ロゴ1つあたりの平均売上と解釈することができます。
ARR:年間経常収益
ARR(Annual Recurring Revenue:年間計上収益)は、顧客の契約価値(顧客が支払っている金額)を年単位で継続的に測定する全社的な指標です。
更新率
貴社との取引を更新した顧客の割合を把握することは、カスタマーサクセス部門や経営陣がビジネスの成長状況や今後の立ち位置を理解するのに役立ちます。
CLV:顧客生涯価値
CLV(Customer lifetime value:顧客生涯価値)は、アップセル、更新、エクスパンションを含む、顧客の生涯契約価値の合計を測定することで、ビジネスの価値を長期的に上昇させることができます。
自走顧客の割合
自走顧客の割合は、現在「自走」、つまり貴社のプラットフォームやサービスを完全に理解しセルフで利活用している顧客ベースの合計割合です。
オンボーディングの平均日数
顧客のオンボーディングにかかる平均日数を記録することで、オンボーディングにおけるギャップを特定したり、顧客ライフサイクルの極めて重要なステップを最適化するのに役立ちます。
アクティブユーザー数
顧客が製品またはサービスを使用するようになったら、アクティブユーザーの合計数を測定し、ログイン数の減少や増加を把握します。
製品採用率
この指標は、特定の顧客において何人のユーザーが製品やサービスを利用しているかを追跡するものです。時間が経つにつれて、より多くのユーザーがソリューションに参加するようになり、製品採用率は上昇し続けるはずです。
CES:顧客努力指標
CES(Customer Effort Score:顧客努力指標)は、ユーザーが製品やサービスを使い、問題を解決し(カスタマーサポートを通じて、または自分で)、一般的にソリューションに関与することがいかに容易であるかを測定するものです。
ライセンス使用率
製品がライセンス契約の一部として販売されている場合のみ測定可能です。この指標は、ライセンスが使用されている場合、その使用状況を追跡します。たとえば、顧客が20ライセンスを購入し、5ライセンスしか使用しなかった場合、ライセンス使用率は25%となります。
エンゲージメント
エンゲージメントは、インバウンドサポートの質問やステークホルダーの意見などをモニタリングすることで測定することができます。顧客が何の意見もフィードバックも質問もせずに黙って契約をし続けているのであれば、それはエンゲージメントが低いというサインかもしれません。
NPS
NPS: ネットプロモータースコアは、カスタマーサクセス指標で最もメジャーです。NPSは顧客が友人、仲間、同僚に製品やサービスをおすすめする可能性を測定します。
CSMの感覚
CSMは毎日複数の顧客と接しているので、顧客が満足していない場合、特定の顧客が協力していない場合、何かが軌道に乗っていない場合、チームリーダーとして早急に把握する必要があります。
請求書の延滞
請求書未払いの顧客を追跡することは、CSM が行うべき業務です。延滞の有無を記録することで、今後の延滞の可視性を把握し、迅速な対応を可能にし、解約を防ぐことができます。
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