ネットプロモータースコア(NPS)は、顧客満足度を測定するための数値であり、カスタマーインサイトを考える上で重要な要素です。

NPSの人気理由は、計算が簡単で理解しやすく、自社の顧客対応状況を明確に把握できることにあります。
しかし、NPSの値はそれだけではあまり意味がありません。
NPSの値に基づいて効果的な変化を起こすためには、NPSのベンチマークを念頭に置くことが重要です。
ベンチマークがあれば、自分のスコアが良いとき、改善の余地があるときや場所、同業他社との比較などを把握することができます。
自社のスコアをより深く理解するためには、外部ベンチマークと内部ベンチマークの両方を導入することが必要です。
優れたNPSスコアとはどのようなものか
NPSスコアは、-100から+100の範囲で算出されますが、プラスの値は一般的に良いとされます。
また、NPSスコアの良し悪しは業界によって異なりますが、自社のスコアを見る際に参考となる基本的な数値がいくつかあります。
以下の数字は、一般的な顧客理解と、自分のスコアがどのような方向に向かっているかを知るのに役立ちます。
40は堅実なポジティブスコア
50以上は、非常にポジティブなスコア
65以上は、有機的な成長が急速に始まるマイルストーンのスコア
70点以上は稀で例外的なスコア

外部ベンチマーク
上記の基本的な数値は、外部NPSベンチマークの一種であり、自社以外での比較対象を意味します。
これらの外部ベンチマークは、業界を考慮に入れると変化するかもしれません。
例えば、重要なサービスを提供する企業(例: 電力会社・ケーブルテレビ会社)は、NPSが低くても成功することができますが、体験型の企業(例: ホテル)や競争力のある業界(例: 高級消費財)は、NPSが高くないと競争に負けてしまいます。
したがって、あなたの業界のパターンを調査し、それらのNPSベンチマークに対してあなたの会社が具体的にどこに位置するのかを知るために、時間を費やす価値があります。
同じ業界内の競合他社よりも高いスコアを持っていれば、より早く成長できる可能性が高くなります。
また、業界外の他の企業と比較した場合、同じ予測をすることは不可能です。
SaaSの優れたNPSスコアとは
SaaSの良いNPSスコアは、28前後です。
これは明らかに、基本的で一般的なベンチマークよりも業界標準や比較が重要なケースです。
もしSaaS企業が自社のNPSを全体的に優れたNPSスコアである40と比較した場合、顧客満足度が非常に不足していると感じるかもしれません。
しかし、競合他社が皆、同じような低いスコアを出しているとしたら、それは本当に重要なNPSのベンチマークです。
社内ベンチマーク
NPSベンチマークは、自社に適したものであればあるほど有用です。
なぜなら、外部のベンチマークでは対応できないような詳細な情報や疑問がたくさん出てくるからです。
内部ベンチマークは、自社にとって重要かつ関連性のある特定のタッチポイントや顧客コホートに注意を払うのに役立ちます。
内部ベンチマークとは、一般的に、過去のNPS値を追跡し、月、四半期、または年単位で比較することを指します。
こうすることで、自社にとって良いNPSとはどのようなものか、また、NPSに何か大きな傾向があるかどうかを把握することができます。
通常、スコアの比較には少なくとも30日間の間隔をあけるべきです。
これにより、スコアの重要性が維持されると同時に、再帰性バイアスのような複雑な問題を避けることができます。
さらに、NPSをさまざまなカテゴリーに分類して、その変化を確認することもできます。
また、顧客ベースのさまざまなセグメントを分析したり、特定の懸念事項に対処するために回答をトピック別に分けたりすることが必要です。

まとめ
顧客のNPSが変化すると、NPSベンチマークも変化する可能性があります。
このような変化を常に把握しておくことが大切です。
また、自社のNPSをより深く理解するために、新しい社内ベンチマークを探し続けることも有効です。
企業の成功のために、NPSは欠かせません。
貴社に適したNPSベンチマークを算出してみてください。
コメント